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もし君が君を信じられなくなっても 不登校生徒が集まる音楽学校
¥1,760
不登校の児童生徒数は全国で約30万人に上り、増加傾向にある。いじめ、発達障害、ひきこもりなど、背後にはさまざまな事情が横たわる。それらの傷をパテで埋めるのではなく、人生の模様として生かそうとする音楽学校が福岡市にあった。音楽×教育という前例のない試みが、心を閉ざした子どもたちに化学反応を促した。 開校した2001年、入学式に集まった子どもの多くは不登校を経験していた。音楽のプロ養成という理念よりも、高校卒業資格が取れるという〝付録〟が本人や保護者に刺さったのだ。 著者の毛利直之氏は、同校創設者で元ミュージシャン。教育分野では素人ながら、素人だからこその気づきを基に、音楽による自己表現を土台に社会性を養っていくスタイルを見いだした。 本書は「学校を辞めたい」「特性」といったキーワードごとに、開校以来20年間の事例をまとめ、実践的なアプローチを紹介。卒業生で歌手の手嶌葵さんも登場する。また、新入生の1年間を追った定点観測も収録。自己肯定感の育み方をテーマにした詩人との対談もある。 音楽と本気で向き合い自信を取り戻した子どもたちの足跡が、今悩んでいる君の1歩目になる-。そんなヒントが詰まった一冊だ。 毛利直之・首藤厚之 著 208ページ/四六判/並製/本体1,600円+税 ISBN978-4-8167-1016-2 C0036 2024年12月8日発行
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三国志を歩く 中国を知る
¥1,870
今の中国を見つめる冒険の書 三国志好きの著者(新聞記者)がゆかりの史跡・名勝、 緊張走る国境地帯や新疆ウイグル自治区などを歩き、 現代中国の深部に迫った渾身のルポルタージュ 三国志は大好きだけど、今の中国はよく知らない、興味がない、という人は多い。とはいえ、今や世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。 そこで、日本人に身近な存在である三国志の舞台となった地を巡り、中国の今を見つめる旅に出たいと考えた。 2020年8月から3年間、コロナ禍の中国に赴任した著者が30省・自治区・直轄市を訪れ、のべ114都市を踏破した。 本書は、2022年9月から2023年8月まで西日本新聞で連載した長期企画「三国志を歩く 中国を知る」を再構成し、書き下ろしも含めて大幅に加筆したものを軸としている。 三国志と三国志演義の基礎知識をおさらいする「正史と演義」、現代中国に残る三国志の聖地を巡った「三国志聖地巡礼」、現代中国の国境地帯を中心としたルポ「三国志の周縁地を歩く」に、コラム「意外と知らない中国の素顔」を織り交ぜている。 巨大で奥深い中国で、著者が直接見聞きし体感したことを一冊にまとめた。 桃園の誓い、赤壁の戦い、そして五丈原─。三国志ゆかりの地を巡り、中国と日本の過去と現在と未来が交錯する旅へ。いざ、ご一緒に。 坂本信博 著 368ページ/四六判/並製/本体1,700円+税 ISBN978-4-8167-1015-5 C0036 2024年11月8日発行
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希望の一滴 中村哲、アフガン最期の言葉
¥1,650
【全国学校図書館協議会 2021年 第54回「夏休みの本(緑陰図書)」選定 】 ※中学校向け 【(公社)読書推進運動協議会 2021年「敬老の日読書のすすめ」選定】 【(公社)読書推進運動協議会 2022年「若い人に贈る読書のすすめ」選定】 銃撃から一年。追悼、中村哲。 飽食、不寛容、温暖化・・・この世界に生かされている私たちが読むべき1冊 2019年12月にアフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師の寄稿を再編集した本です。 亡くなる直前の同月2日に西日本新聞朝刊に掲載された原稿を含め、2009年から10年にわたって書き続けた連載を一冊にまとめました。 沙漠化した土地に水を導き、多くの人々の命を救った中村医師。 泥にまみれ、宗教や慣習の違いを受け入れ、命の危険さえ感じながらも活動を続けてきた著者の言葉は、何が虚構で何が真実かを見極める目を養えと、今を生かされている私たちに訴えます。 著者の活動を支援してきた福岡市のNGOペシャワール会の協力のもと、本人やスタッフが撮影した数々の写真を収載したのが本著の特徴です。芥川賞作家火野葦平を伯父にもつ中村医師は、書いて訴える「言葉の人」でした。 本著は、10冊近くある既刊書とは趣を異にし、オールカラー写真で見るアフガンの風景や人々の表情が著者の文章を裏打ちします。いわゆる写真家が撮影した写真ではありませんが、 映し出された人々の表情は、長年にわたり現地で人々に寄り添ったからこそ撮れる、偽りのないものです。 本紙への寄稿原稿は、中村医師の事業報告であり、時事評論や随想でもあります。 一冊の本にするにあたり、本文に出てくる用語などには、出版元の責任で脚注を追加し、 読者が当時の社会情勢を振り返りやすくしています。 米同時多発テロをリアルタイムで知らない若い世代にも手に取ってほしいと願うからです。 中村哲という人物の功績をたたえるだけにとどまらず、彼が抱き続けた世の不条理への怒りや自然への敬意を感じながら、温暖化や自国第一主義がまん延する今の世界を、どう生きるべきか読者が考える材料となることを期待しています。 「見捨てられた小世界で心温まる絆を見いだす意味を問い、 近代化のさらに彼方を見つめる」 (西日本新聞2019年12月2日朝刊に掲載された絶筆原稿から抜粋) 中村哲 著 192ページ/A5判/並製/オールカラー/本体1,500円+税 ISBN978-4-8167-0988-3 C0036 2020年12月17日発行
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われらラジオ異星人 みんなと歩んだ地方番組の裏側
¥1,870
KBCラジオ(福岡市)「PAO~N(パオーン)」放送開始40周年記念本! ラジオの深夜放送が隆盛を極めた1980 年代。 全国各地に人気番組が誕生し、中高生リスナーたちをラジカセの前に釘付けにしていた。そんなとき、福岡には「PAO~N」があった。 KBC(九州朝日放送・福岡市)のラジオ番組「PAO~N」は、1983年5月に放送を開始。2023年5月に放送開始40年を迎えました。 当初からメインパーソナリティーを務めるのは、沢田幸二(66)アナウンサー。深夜放送の頃は中高生リスナーへの辛辣なツッコミと早口でまくし立てるしゃべりが受け、人気番組になりました。 昼の時間帯へ移った2003年以降は、軽妙なトークと個性的な出演者の魅力を引き出す絡みが売り。同局の看板番組として定着しています。 日替わりの名物コーナーに新旧のリスナーが数多く投稿し盛り上げ、気になるニュースで今を伝え、パーソナリティー同士のフリートークで笑わせるなど、同番組にはラジオの醍醐味が詰まっています。 本書はオンエアのノリで話した対談、インタビューで構成。同番組の歩みを振り返りつつ、これまでのハプニングや感動話など、喜怒哀楽があふれる逸話を収録しました。 対談は、沢田アナや約40年前に番組を企画した窪田雅美(元KBC)、昼ワイドで復活した2003年から現在まで出演する原田らぶ子、夜ワイド時代は大学生アルバイト、昼の「PAO~N」でディレクターとプロデューサーを経験した佐藤雅昭が登場。「てるてるワイド」「やる気MANMAN!」(ともに文化放送)など80年代以降、数々のラジオ番組でパーソナリティーを務めている吉田照美との対談も実現。 深夜放送時代に「PAO~N」を支えた師岡正雄(元KBC、ニッポン放送アナウンサー・現在はフリー)、現在の木曜レギュラーの松村邦洋、沢田アナの同期の奥田智子(KBCアナウンサー)のインタビューも。 リスナー参加のアンケート、ネタ企画も掲載します。 沢田アナはキャリア40 年以上の大ベテランながら、今もマイクの前に座り続けています。昭和から平成、令和へと移り変わるなか、淡々と時に熱く会社員人生を過ごしてきました。 本書には沢田氏と同じ時代を生き、定年を迎えた(迎える)同世代に響く言葉も多数出てきます。 同番組のリスナーやラジオファンだけでなく、50 ~ 60 代の人にも届く内容です。 <著者プロフィール> KBCラジオ PAO~N(パオーン) 九州朝日放送(KBC)で1983年5月30日に放送を開始した、平日夜のワイド番組「PAO~N ぼくらラジオ異星人」。福岡・佐賀の中高生リスナーから圧倒的な支持を集めながらも90年4月6日で放送を終了。その後、2003年3月31日に平日昼のワイド番組「PAO~N」として復活し、現在も放送中(平日13時~16時)。ラジコで聴く熱烈なリスナーが全国に存在する。23年5月30日に放送開始40年を迎えた。 KBCラジオ PAO~N 著 224ページ/A5判/並製/本体1,700円+税 ISBN978-4-8167-1013-1 C0095 2024年3月30日発行
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人類学者のレンズ 「危機」の時代を読み解く
¥1,760
当たり前の日常が、視点を変えると全く別の世界になる―。 気鋭の人類学者による、世界の見方を変える「手引き」書。 西日本新聞で2020~2022年に連載した「人類学者のレンズ」、朝日新聞で2018年に連載した「松村圭一郎のフィールド手帳」を加筆・修正、再編集して書籍化。 「うしろめたさの人類学」などで知られる筆者は、コロナ禍やオリンピック、地震、水害、戦争などの社会、時事問題が噴出する「現在」に立脚しつつ、人類学の先行研究、原点であるエチオピアの人類学調査、古里の熊本での思い出をたどっていく。 人類学者のさまざまな眼を通じて、「危機」の時代を読み解き、揺れる「今」を生きるヒントを考える。 レヴィ=ストロース、ルース・ベネディクト、デヴィッド・グレーバー、ティム・インゴルド、岩田慶治、猪瀬浩平、磯野真穂など、国内外の人類学者の論考が登場。人類学という学問と現実をつないでいく試み。 西日本新聞連載時と同様に福岡出身の写真家、喜多村みかとコラボ。ポートレートでありながら、抽象性を合わせ持つ喜多村の写真は、文章の余白や解釈の幅を広げる。 <著者プロフィール> 松村圭一郎 著 1975 年、熊本市生まれ。岡山大学文学部准教授。専門は文化人類学。所有と分配、市場と国家の関係などについて研究。著書に『うしろめたさの人類学』『くらしのアナキズム』『小さき者たちの』(いずれもミシマ社)、『旋回する人類学』(講談社)、『これからの大学』(春秋社)など。 喜多村みか 写真 1982 年、福岡県糸島市生まれ。写真集に『TOPOS』(sign and room)、『Einmal ist Keinmal』(Therme Books)。受賞歴に、VOCA 展2019 大原美術館賞、キヤノン写真新世紀優秀賞など。 松村圭一郎 著・喜多村みか 写真 208ページ/四六判/並製/本体1,600円+税 ISBN978-4-8167-1014-8 C0095 2024年4月29日発行
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ラーメン記者 九州をすする! 替え玉編
¥2,090
ラーメン記者が選りすぐった、店の歴史と味をどうぞ! 福岡・久留米から佐賀、大分、熊本、宮崎へ広がった白濁豚骨の系譜。消えゆく名店、家系ラーメンの本家、札幌の人気の味を引き継いだ人たち。「もしもしラーメン」や「便所ラーメン」との愛称で親しまれる店の始まりから、非豚骨で勝負をかけた学生起業家まで―。 食べ歩きを続けるラーメン好きであり、新聞記者でもある筆者〝ラーメン記者〟が、新旧さまざまな選りすぐりの店をじっくり取材し、その味と歴史を記した異色のグルメガイド。 九州を中心に100軒以上の店を紹介し、豚骨誕生から九州内での伝承と普及、全国への伝播までを掘り下げた決定保存版となっている。 全国のご当地ラーメンや○○系ラーメンも紹介。ラーメン店主と山登りをする企画のほか、巻末には、ちゃんぽん豚骨ラーメンの誕生から伝播、各地で生まれた地域の味、東京への普及、さらに東京においての豚骨ラーメン事情などを記録したエッセー「九州豚骨今昔物語」も収録している。 装画は牧野伊三夫 <著者プロフィール> 小川祥平 (オガワショウヘイ) 記者、編集者。1977 年福岡県生まれ。ラーメン好きが高じて取材を始め、"ラーメン記者"を名乗って活動。 新聞や雑誌、ウェブなどで執筆をする。音楽も好きで、福岡のラジオ局CROSSFM の音楽番組「URBAN DUSK」内で、ラーメンと音楽を結びつけて紹介している。 著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。編著に「地べたの戦争」「くじゅう連山 四季の絶景登山ルート」「SとN pocket」など。記者として、福岡本社文化部、東京支社報道部、佐賀、大分・宇佐で勤務。登山雑誌「季刊のぼろ」元編集長、現在は西日本新聞くらし文化部次長。 小川祥平 著 336ページ/A5判/並製/本体1,900円+税 ISBN978-4-8167-1012-4 C0026 2024年3月31日発行
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これはわたしの物語 橙書店の本棚から
¥1,925
熊本で小さな本屋兼喫茶店を営んでいる。 珈琲をいれ、お客さんに本をすすめる。 そして時折、新聞や雑誌に書評を書く。 店での会話も書評もやっていることは変わらない。 さて今晩も、読んでくれる人を思い浮かべて原稿書きだ――。 熊本の「橙書店」店主、田尻久子氏による初めての書評エッセイ集。 西日本新聞書評連載など新聞・雑誌書評(72篇)のほか、本と本屋をめぐるエッセイ(雑誌掲載文、書き下ろしエッセイ・読書日記など12篇)を併せて収録。 エッセイでは、10代の頃の読書、記憶の本棚、「年を重ねた者は若い人たちへ何かしらの義務がある」と50歳を過ぎて気づかせてくれた熊本の大先輩の言葉などを綴る。 出会った本を自らの糧として読み、思いをわかちあえる誰かへと手わたす。本屋店主の日々の営みから立ち上がる体験的書評エッセイ集。 装丁・装画・本文デザイン 鈴木千佳子 <著者プロフィール> 1969年、熊本市生まれ。「橙書店 オレンジ」店主。 会社勤めを経て2001年、熊本市内に雑貨と喫茶の店「orange」を開業。2008年、隣の空き店舗を借り増しして「橙書店」を開く。2016年より渡辺京二の呼びかけで創刊した文芸誌『アルテリ』(年2回刊)の発行・責任編集をつとめる。同年熊本地震被災後、近くに移転し再開。 2017年、第39回サントリー地域文化賞受賞。著書に『猫はしっぽでしゃべる』(ナナロク社)、『みぎわに立って』(里山社)、『橙書店にて』(晶文社、2020年熊日出版文化賞)、『橙が実るまで』(写真・川内倫子、スイッチ・パブリッシング)がある。 田尻久子 著 240ページ/B6判/並製/本体1,750円+税 ISBN978-4-8167-1008-7 C0095 2023年8月8日発行
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松本清張はよみがえる 国民作家の名作への旅
¥1,760
松本清張が亡くなって30年以上がたった今なお、作品に描かれた恨みや妬み、復讐心は特有の「まがまがしい魅力」を放つ。 気鋭の批評家、酒井信(明治大准教授)が、長・短編合わせて1000に及ぶ清張作品から代表作50編を取り上げ、現代の作家の筆致と比べながら、作品が有するリアリティーに迫っていく。 「或る『小倉日記』伝」では、森鷗外の足跡を追い求める登場人物の姿に西村賢太を重ね、長編の代表作「眼の壁」からは村上春樹の作品との共通項を見いだす。 ピックアップした1950~90年代の代表作を年代ごとに収め、作品の舞台が一覧できる地図や現代作家との相関図も掲載。清張作品の入門書やガイドブックとしても活用できる。 平成不況や令和のコロナ禍を通して、都市と地方あるいは所得の格差が広がり続ける今、清張の作品から学ぶことは思いのほか多い。 <著者プロフィール> 酒井信(さかいまこと) 1977年、長崎市生まれ。明治大学准教授。早稲田大学卒業後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学助教、文教大学准教授を経て現職。 専門は文芸批評・メディア文化論。著書に『現代文学風土記』『吉田修一論 現代小説の風土と訛り』『メディア・リテラシーを高めるための文章演習』など。 酒井信 著 224ページ/四六判/並製/本体1,600円+税 ISBN978-4-8167-1011-7 C0095 2024年3月1日発行
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続・ペコロスの母に会いに行く
¥1,320
「ゆういち、生きとこうで。生きとけば、どげんでんなる。」 母と父の気配をすぐそこに感じながら 詩情豊かに描いた、老いとぼけと家族の物語。 デビュー作『ペコロスの母に会いに行く』(第42回日本漫画家協会賞優秀賞受賞)から約7年。 西日本新聞※、新潟日報※、東京新聞、北海道新聞で長期にわたり連載された8コマ漫画「続・ペコロスの母に会いに行く」「ペコロスの陽だまりの時間」を再編集。(※は現在も連載中) 【著者あとがきより】 とにかく生きてください。どういう時代をどういう状況でくぐり抜けようと、 くぐり抜けた日々は全てあなたの糧になっています。 後で気づくので、気づく時まで、まず生きてください。 僕の卒業時の卒業アルバムにあったカロッサの詩の一節、 生きていなさい! 星が私に言いました。 生きていなさい! 森も小川も言いました。 この言葉がずっと心にありました。 自殺しようとして森に入った人に向かって、自然が囁いた言葉だと解釈して。 とても腑に落ちるフレーズでした。そしてこの言葉を自分なりに咀嚼して、 生きとかんば! (生きとけば)どんげんでんなる! これらの言葉をキーワードにマンガや唄を作っています。 (中略) ボケるということは、辛かったことも忘れていくということ。 認知症になった母の頭の中を、僕は、父との楽しい思い出で満たしてあげたい。 そのために、僕は漫画を描く。 だから希望しか描かない、描きたくない。 そう思っています。 老いを、人生を、笑っていきましょで! 皆さんの肩の荷が少しでも軽くなりますように。 ペコロスこと、漫画家岡野雄一のタイムトラベルエッセイ決定版をお届けします。 <著者紹介> 漫画家、シンガーソングライター。1950年長崎市生まれ。高校卒業後に上京、出版社に勤務。40歳で長崎にUターンし、息子と老いた両親と同居を始める。 父さとるさん亡き後、「ぼけ」が始まった母みつえさんとの日々を、長崎のタウン誌に描き始める。自費出版した漫画が話題を集め、 2012年にデビュー作『ペコロスの母に会いに行く』(西日本新聞社)を刊行。第42回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞し、25万部超のベストセラーとなった。 同名でドラマ化(NHK-BS)され、2013年秋に映画化される。映画は2013年の第87回キネマ旬報ベスト・テンで、日本映画ベスト・ワンを獲得。『みつえばあちゃんとボク』(西日本新聞社)のほか著書多数。 『ペコロスの母に会いに行く』は2019年3月にKADOKAWAから文庫化され、同年5月からNBCテレビ(長崎放送)でアニメが放送開始予定。 岡野雄一 著 192ページ/A5判/本体1,200円+税 ISBN978-4-8167-0971-5 C0095 2019年5月20日発行
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現代文学風土記
¥1,980
「小説は場所への興味から始まる」吉田修一 (「波」2019年9月号より) 気鋭の批評家、酒井信(明治大准教授)が〝土地〟から小説を読み解くブックガイド。 農村、漁村、下町や都心部、寂れゆく地方都市、郊外のベッドタウン…。小説には、土地から立ち上がるもの、逆に立ち上がらなくなったものが反映されている。作家の出身地、小説の舞台、インタビューなどをたどりながら、作品を批評。通読すれば現代社会のかたちが見えてくる。 主要文学賞、必読作品、読書感想文向け作品などの分類もあり、高校、大学生向けのブックガイドとしても活用可能。 中上健次、カズオ・イシグロ、村上春樹、角田光代、伊坂幸太郎、東野圭吾、三浦しをん、西村賢太、青来有一、吉田修一、桜木紫乃… 純文学からエンタメ小説のジャンル問わず、1977年から2021年の180編を収録。舞台は全47都道府県に及ぶ。 著者プロフィール 酒井 信(さかい まこと) 1977年長崎市生まれ。明治大学国際日本学部准教授。早稲田大学人間科学部卒業後、慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学助教、文教大学准教授を経て現職。専門は文芸批評・メディア文化論。著書に『吉田修一論 現代小説の風土と訛り』『メディア・リテラシーを高めるための文章演習』など。 酒井信 著 416ページ/A5判/並製/本体1,800円+税 978-4-8167-1001-8 C0095 2022年5月18日発行
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シーナの夢 若松,博多,東京,HAPPY HOUSE
¥1,540
SOLD OUT
本書『シーナの夢』がモチーフになった NHKドラマ「You May Dream」(2018年放送)の再放送決定! 2018年3月に九州沖縄地方で限定放送され、全国のロックファン、シーナ&ロケッツファンから圧倒的反響を得たドラマが、NHK地上波で再放送されることが決まりました! 【放送予定】令和5年2月12日(日)午後1:05~ 総合テレビ(九州・沖縄) 【出演】石橋静河、福山翔大、徳永玲子、佐田正樹(バッドボーイズ)、松重豊 ほか 【制作】NHK福岡放送局 【撮影】オール福岡県内ロケ(福岡市・北九州市にて撮影) 番組ホームページ https://www.nhk.or.jp/fukuoka/recommend/dream/index.html 【NHK福岡発地域ドラマ「You May Dream」モチーフ本】 地元出版社だからこそ、あの鮎川弁がそのまま活字に! 1978年結成のロックバンド、「シーナ&ロケッツ」 ボーカルであり、ギタリスト鮎川誠の妻でもあるシーナが2015年2月14日、この世を去った。 2015年3月、悲しみ冷めやらぬ四十九日に、福岡県北九州市若松のシーナの実家でロングインタビューが行われた。鮎川が旧友たちだけに語ったのは、亡き妻シーナへのあふれるほどの愛の言葉。 このインタビューを基にしたCROSSFMのラジオ番組「HAPPY HOUSE〜The family's starting point」は、第11回日本放送文化大賞・ラジオ部門グランプリを受賞。RKB毎日放送でもテレビ番組「豆ごはん〜追悼! 愛され続けたロック歌手シーナ 若松の商店街からロック界永遠の女王へ!」として放送され、大きな反響を呼んだ。 『偉大なロックの師匠ちいうか、同志ちいうか。ロックの心をほんとに教えてくれたのが、一番身近におる、シーナやったんよ─』 『「私も自分の歌ったレコードを、自分で聴いてみたい」っち、シーナが、ぽつりと言うたんよ。その言葉にね、俺、すごい素敵な夢もろたんよ』 地元かつ旧友相手のインタビュー。だから、素の表現満載。 ファン垂涎!待望の書籍化。 語り 鮎川誠 聞きて 栗田善太郎(ラジオパーソナリティ) 寺井 到(RKB毎日放送ディレクター) 松本 康(JUKE RECORDS店主) 224ページ/四六判/本体1400円+税 ISBN 978-4-8167-0923-4 C0095 2016年8月31日発行
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オギャーでいいのだ はなたれ和尚の好日法談
¥1,540
禅僧〝斎さん〟は、布教師として各地で法話を行い、ユーモアあふれる話で人を引きつけてきた。 ところがある日、突然がんで余命宣告を受ける。 「なんとも苦しくもないのに、どうしてあと三カ月で死ななくてはならないのでしょうか」。師のもとに駆けつけ、そう打ち明ける。それでも、斎さんは命懸けで生きた。 昨日と今日を比べない、今日と明日を比べない。他人と自分を比べない。つまり「今ここ」が重要なのだ。生まれたときはみんなそうだったじゃないか。矛盾や、迷いや、悩みのただ中で、赤ちゃんに立ち返ろう。そう「オギャーでいいのだ」 各地で行った法話を収める中、「最後の法話」も収録。 死の前日に、「大丈夫!今日一日、笑顔でいよう」 著者プロフィール 西村 宗斎(にしむら そうさい・1962~2020) 愛媛県小田町(現・内子町)生まれ。愛光学園高校、京都大文学部哲学科を卒業。愛媛県宇和島市の鯨大師(願成寺)や兵庫県たつの市の寳林寺で住職を務める。2010年からは布教師として活動し、全国各地で法話を行った。 挿画 牧野伊三夫/装幀 有山達也 西村 宗斎 著 298ページ/四六判/並製/本体1,400円+税 978-4-8167-1002-5 C0014 2022年6月15日発行
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ミステリーの女王 夏樹静子と福岡
¥1,540
博多、糸島、中洲――。 ミステリーの女王は、福岡の街に美しい罠<トリック>を仕掛けていた。1970~80年代の福岡の風景や作家の筆跡をたどりながら、夏樹静子を今読み解く。 「Wの悲劇」や「蒸発」などで知られる推理作家、夏樹静子(1938~2016)。 福岡でデビューし、この街に暮らし、等身大のリアルな女性の生き方を社会派ミステリーの中に鮮やかに描写してきた。作家が生きた時代と作品を伝える決定版。 作家の書斎や愛用品を写したグラビアや、作品に描かれた当時の福岡の風景写真は貴重。 作品解説や作家の年譜、短編小説も収録している。研究家や編集者、親交のあった人物たちが語る作家の功績や人物像は必読。 今、ミステリーの女王が蘇る。 福岡市文学館 編 176ページ/A5判/本1400円+税 ISBN 978-4-8167-0993-7 C0095 2022年3月18日発行
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つかれた日には鍋にキャベツとホロホロ鳥を放り込み
¥1,100
オランダ・アムステルダム、フランス・パリ、東京、そして九州。 ホテルオークラ福岡の総料理長が、若き修業時代から今に至るまで、各地で出会った食の数々をしたためた、おいしいエッセイ集。 著者自身が描いた味わいのある挿画も必見です。 「私はクタクタに煮た野菜が好きである」 「私は元来、ご飯の要らないパン派だ」 「研修時代、トリュフをこっそり丸ごと1個食べて『本物』を学んだ」 日本が世界をもてなす一流ホテルのフレンチレストランで腕を振るう総料理長の素顔を垣間見る31篇。美食家を唸らせる料理を生み出す著者の五感、食に対する情熱が綴られています。 九州やヨーロッパの食文化も織り交ぜ、食欲も旅へ出かけたくなる“旅欲"も刺激。素顔の総料理長がすすめる、簡単でおいしい食べ方や作り方も紹介します。 1本のペンで料理を描いた挿画も著者が手がけました。 著者は普段から、厨房で後輩シェフたちに料理の完成イメージ図を描いているそう。 美しくクラシックなフランス料理を手がける著者の、画力にも注目。 <著者紹介> 1973年大成観光株式会社(現・株式会社ホテルオークラ)入社。 1980年に渡欧し、1982年にはオランダ国内の調理師コンクールで優勝。 ホテルオークラ東京フランス料理レストラン「ラ・ベル・エポック」シェフなどを歴任し、 ホテルオークラの伝統を継承する一人として、またオランダやフランスでの経験から、 基本を大切にしたクラッシックなフランス料理を得意としている。 2011年11月ホテルオークラ福岡 総料理長に就任。2013年6月 ホテルオークラ福岡 取締役総料理長。 谷内雅夫 著 96ページ/A5判/本体1,000円+税 ISBN 978-4-8167-0973-9 C0077 2019年9月1日発行
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婦人の新聞投稿欄「紅皿」集 戦争とおはぎとグリンピース
¥1,540
戦中戦後を生きた女性たちの日常が伝わる投稿集です。本紙で60年以上続く女性投稿欄「紅皿」に眠っていたものを掘り起こしました。 投稿欄は敗戦から9年後の1954(昭和29)年、高度経済成長期の幕開けとともに始まりました。およそ600文字という制限の中で、女性たちは日々の喜びや悲しみを表現力豊かにしたためていきます。 この本の編集にあたり、欄開設から10年間に寄せられた3千を超える物語に目を通しました。戦争に関連する言葉「空襲」や「赤紙」、「引き揚げ」、「特攻」、「戦死」…などが載った投書を選り分け、300余りにのぼったその中から、当時の空気やにおいが伝わるような名文42編を掲載しています。 戦地から戻る息子をおはぎを抱えて待つ母親、配給された古い鍋に残る母の思い出、貧しい暮らしの中に親子で見つけたささやかな喜び…。そこには、当たり前の日常を送るという幸せを諦めず、理不尽な現実に向き合う女性の姿が描かれています。 当時は10代、20代の投稿者も多く、きっと今の同世代にも響いてくれるのではないかと思います。 当時の人々にとっては、誰しも経験した話です。しかし、戦後70年を過ぎて振り返ると、普段の生活の中に「戦争があるという異常」が際立ちます。一度立ち止まって考えるべき今だからこそ、読んでほしいノンフィクションです。 西日本新聞社 編 216ページ/四六判/本体1,400円+税 ISBN978-4-8167-0918-0 C0095 2016年5月25日発行
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ラーメン記者、九州をすする!
¥1,540
SOLD OUT
西日本新聞特集面に2014年9月~17年7月まで連載した「ラーメンのれんのヒストリー」を単行本化。 全60回の中から選んだ53店舗を紹介する。グルメガイド本とはひと味違う新聞記者の取材ならではの、店のルーツや店主の人柄、味の秘密を掘り下げた読み応えのある内容。各県の元祖ともいえる老舗から若手の個性派店まで、一杯に込められたドラマを丁寧に描き、豚骨、屋台、替え玉など独自の文化をはぐくんだ九州ラーメンの歴史を紐解く。 小川祥平 著 224ページ/四六判/本体1,400円+税 ISBN978-4-8167-0944-9 C0026 2017年10月22日発行
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おひとりサマンサ ふわーっと楽しく生きてます
¥1,320
体力や考え方、家族の形など変化が襲う50代。“おひとりさま"のトコが、日々の不安や失敗に見つけた前向きな老いとヒントを語る。 「みんなと同じように健康でいなきゃいけないとおびえるより、わたしゃだいたいこれくらいでいいと妥協しましょ」 「チャレンジする勇気を持ち続けるのが若さの秘訣」 「子どもが大好きなことを見つけて夢中になった。それを、是か非か、すばらしいことかくだらないことかを、親が判断する必要はない」 九州・福岡で活躍するコラムニスト・トコさんの、8年以上続いている西日本新聞コラム「おひとりサマンサ」を書籍化。 <著者紹介> 1959年福岡県北九州市生まれ。西日本新聞生活面「おひとりサマンサ」など新聞、雑誌の連載を数多く抱えるコラムニスト。 「アサデス。」「めんたいワイド」など福岡のテレビやラジオでの辛口コメントでもおなじみ。趣味は美容と風水と盆栽、アビスパ福岡のサッカー観戦など。息子の松居大悟は脚本家、演出家、映画監督、俳優として活躍中。 トコ 著 182ページ/四六判ヨコ/本体1,200円+税 ISBN 978-4-8167-0965-4 C0095 2019年1月15日発行
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本屋がなくなったら、困るじゃないか 11時間ぐびぐび会議
¥1,980
SOLD OUT
本を売る・つくる仕事はなぜこんなに面白いのに、ネガティブな話題が多いのか。書店・取次・出版社の現場を知る面々が素朴な疑問から出発しつつ、構造的な問題を徹底的に“明るく”“未来に向けて”話し合った。 2日間、計11時間にわたり、熱い議論を繰り広げた車座トークの内容に、新しい動きを実践する方々のインタビュー・寄稿を加えた、提言の書。 未来は地方で考える。もっとシンプルに、あたりまえに本を売りたい皆さんへ。流通の再設計と出版社の意識改革で、まちに開こう、オモロイ本屋を! <車座トークに参加した方々>※敬称略 ■ スタンダードブックストア(大阪) 中川和彦 ■ ブックスキューブリック(福岡) 大井実 ■ 本屋Title(東京) 辻山良雄 ■ 文化通信(東京) 編集長 星野渉 ■ トランスビュー(東京) 工藤秀之 ■ ウィー東城店(広島) 佐藤友則 ※ゲスト ■ トーハン(東京) 水井都志夫 ■ 日販(福岡) 小野雄一 ■ 丸善博多店(福岡) 徳永圭子 ■ 弦書房(福岡) 野村亮 ●進行 ■ 忘羊社(福岡) 藤村興晴 ■ 西日本新聞社(福岡) 末崎光裕 <特別インタビュー・寄稿>※敬称略 ◆ トランスビュー(東京) 工藤秀之 ◆ 文化通信(東京) 編集長 星野渉 ◆ H.A.Bookstore(東京) 松井祐輔 ◆ ツバメ出版流通(東京) 川人寧幸 ◆ ミシマ社(東京・京都) 三島邦弘 ◆ カモシカ書店(大分) 岩尾晋作 ◆ 長崎書店・長崎次郎書店(熊本) 長崎健一 ◆ ブックスキューブリック(福岡) 大井実 ブックオカ 編 304ページ/A5判/本体1800円+税 ISBN978-4-8167-0922-7 C0095 2016年7月31日発行
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随筆集 柚子は九年で
¥1,650
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曙光の人もある。夜陰を照らす月のごとき、脇役の人生もある。 「私は歴史の敗者を描きたい。彼らの存在に意味はなかったのかと」 50歳で創作活動に入り、アラカン世代で直木賞を受賞した歴史・時代小説家、初めての随筆集。 ひたむきに生きる人々の姿を、和歌や漢詩を引用しながら香り高く描いた作品がファンを広げている葉室麟氏。 小説のモデルとなった人物や、敬愛する作家、自身の読書遍歴、50代で創作活動に入った思いなどをつづった。 直木賞受賞後に書かれた随筆のほか江戸時代の福岡・博多を舞台にした短編小説「夏芝居」も収録。 以下、本文より抜粋。 「自分の残り時間を考えた。十年、二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかとも思ったが、二度とあきらめたくはなかった。 『蜩ノ記』の主人公もいのちの時間を十年と区切られている。 しかし、限られた時間であろうと、生の深まりは得られるのではないかと思い、物語を紡いだ。」 葉室麟 著 200ページ/四六判/上製 ISBN978-4-8167-0848-0 C0095 2012年4月20日発行
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これからもそうだ。
¥1,430
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「死にたくなければ一流の小説を書くしかない。 そしてそれは、私にとって死ぬほど難しい行為なのだ。」 芥川賞受賞作家、初のエッセイ集。高校卒業後、一切職に就くことなく自宅で小説を書き続けたという異色の経歴で知られる作家が、異邦人としていくつかの街をさまよい歩く。 思索の旅路で作家は何と出合うのか。彼の目に、街はどう映るのか─。 新聞連載随筆「見切り発車」をはじめ、これまでに発表されたエッセイを多数収録。 作家として生きていくためのもがき、一途さが、 飾らない真っすぐな言葉でつづられた傑作選。 「私は書く以外に仕事をしておらず、する気もない。書くことと書いた作品によってしか責任はとれない。それが出来ないとなれば、生きてゆく資格がない。」(本文より) 田中慎弥 著 184ページ/四六判変型/上製 ISBN978-4-8167-0849-7 C0095 2012年4月20日発行
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前傾姿勢でいいじゃない ~子育て、起業、いま女子大生
¥1,430
思い立ったら即行動、いつも前のめり。失敗や挫折は当たり前。ゼロから起業した主婦が結婚や育児、仕事について、明るく語ります。 <著者プロフィール> 福岡県筑後市出身。八女高校、福岡大学体育学部卒業。スポーツクラブに就職するも結婚を機に退職。2人の子どもを出産後、地域で子育て支援活動をスタート。NHK福岡放送局で体操のお姉さんとして10年担当。2006年に芯の強い子を育てる運動塾「MIKIファニット」をゼロから起業。2014年、米国マサチューセッツ工科大学卒業生運営のMITビジネスプランコンテストで、審査員特別賞を受賞。女性の自立や子育てなどをテーマに講演する傍ら、地元ラジオ局でパーソナリティーも務める。2015年、九州大学大学院経済学府(QBS)に入学。著作に「子どもの!ママの!やってみたいを引き出す運動あそび集」(日本レクリエーション協会)「ファニットリズムでどうぶつ体操」(MIKIファニット)。 太刀山美樹 著 164ページ/四六判/本体1300円+税 ISBN978-4-8167-0908-1 C0036 2015年10月9日発行
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珍国の女王
¥1,760
福岡市で旅行社を経営する著者の髙井英子さん。主に一般的にはあまり聞き慣れない島や海外領土への渡航を希望する個人旅行者のガイドを請け負っています。本書はこれまでに訪れた100カ国・地域の中から選りすぐりの〝珍国〟を紹介する旅行エッセイ。 近年日本人にも人気のウユニ塩湖があるボリビアをはじめ、独裁者の好物にちなむ「メロンの日」を祝うトルクメニスタン、バイクレースの聖地マン島、謎に満ちた独立国家ソマリランド、落差226mのカイエチュールの滝があるガイアナなど39カ所を案内します。 髙井さんは、西日本新聞夕刊で「珍国に恋して」を連載中です。 髙井英子 著 224ページ/四六判/本体1600円+税 ISBN978-4-8167-0926-5 C0026 2016年10月20日発行
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文芸 博多なぞなぞ
¥1,100
「驚きました。こんなに知的で、くすっと笑える『なぞかけ』があったなんて。さすが博多は芸どころ。絶やさないよう頑張って、保坂さん!」(お笑い芸人・ねづっちさん)※オビより 収載した筆者、若久亭団地(雅号)さんの句。 鳥の法廷 とかけて 焼いてる最中のパン ととく こころは 生地が膨張しとる(キジが傍聴しとる) 鳥肌 とかけて 人気歌舞伎役者のそろい踏み ととく こころは 観劇に続々と来とる(感激にゾクゾクときとる) 大正から昭和初期にかけて楽しまれた「博多なぞなぞ」。戦局悪化とともに自然消滅したが、名人と言われた石田庄平さんのご子息とフクニチ新聞が協力し、昭和55年から『博多なぞ』欄を設け復活させた。著者は欄を担当した元新聞記者。現在も博多謎々の会会員として活動を続けている。 本書には、自身の15年の句および大正・昭和の名句紹介のほか、作句のコツ、文献等で検証したなぞなぞの歴史をたどる。 博多なぞなぞは、「なぞかけ」と呼ばれる三段なぞや「博多にわか」と違い、こころが複数(2カ所以上)かかり、二つの文意が離れているほど秀句とされる。難易度は高いが、博多部の粋や笑いや博多ことば、世相(風刺)を伝える貴重なご当地文芸。 「政治や社会などが袋小路にあって、笑いが少ない現代の日本社会。大笑いでなくとも、ニヤリとしていただけるだけでも、筆者の喜びとするところだ。」(筆者) 「2カ所以上かけて、しかも博多弁を盛り込む!? これは難しい!『ここまで追い込みますか!』ってびっくりしましたよ(笑)。ご当地文芸を継承すべく出版されることも素晴らしいですね。じっくり読んじゃいました。『博多なぞなぞ』面白い!」(お笑い芸人・ねづっちさん)※オビより <著者紹介> 1942 年福岡市生まれ。同志社大卒。フクニチ新聞記者、佐賀新聞論説委員、西日本新聞編集企画委員。在職中から博多を重点的に取材。現在も郷土史研究に従事。博多を語る会、博多謎々の会、叢匠会会員。 編纂・執筆に『博多祇園山笠振興会記念誌(30、40、50、60 周年)』。 著作に『おっしょい!山笠 石橋清助聞書』、共著に『博多 旧町名歴史散歩』『博多祇園山笠大全』(いずれも西日本新聞社刊)など。 保坂晃孝 著 176ページ/A5判/本体1,000円+税 ISBN 978-4-8167-0978-4 C0076 2020年1月1日発行
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筑紫万葉 恋ひごころ
¥1,540
★★万葉集 巻五 大伴旅人邸で催された梅の花の宴についても触れています。★★ 大伴旅人や山上憶良らが九州・大宰府で詠んだ歌を大胆に意訳。8世紀を生きた人々の本音を現代文学として読み直したエッセイです。 2016年に西日本新聞文化面連載の「万葉びとの筑紫」を加筆修正したもの。 いまを楽しもうぞ。 宴を楽しもうぞ。 それが“生きる”ということだ ー万葉集は人生讃歌 いわば奈良時代の“歌謡大全集”なんよー(著者) 歌い、笑い、酒に酔い、遠くの友や、妻を想って涙する 人のこころってかわらないもんだなぁ はるか1300年前の歌なのに 【著者紹介】 上野誠 1960年福岡県生まれ。福岡大学附属大濠高校卒業。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。博士(文学)。 現在、奈良大学文学部教授(国文学科)、国際日本文化研究センター客員教授。研究テーマは、万葉挽歌の史的研究と万葉文化論。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞受賞。歴史学や考古学、民俗学を取り入れた万葉研究で、学会に新風を送っている。 『魂の古代学 問いつづける折口信夫』(新潮選書、第7回角川財団学芸賞受賞)、『大和三山の古代』『万葉びとの宴』、小説『天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険』『遣唐使 阿部仲麻呂の夢』など著書多数。オペラ『遣唐使~阿部仲麻呂』の脚本、朗読劇『額田王と吉野』の執筆も手がけた。 ◎上野誠の万葉エッセイ http://www.manyou.jp/ 【装画・挿画・扉題字】 田口順二 1964年熊本県生まれ。中学校美術教諭。北九州市立美術館、旧百三十銀行ギャラリー(北九州市)、トライギャラリー(東京)などで個展。北九州市八幡東区在住。著書に「理解フノー」(遠藤哲夫との共著/港の人)がある。美術同人誌「四月と十月」同人。 上野誠 著 144ページ/四六判/本体1,400円+税 ISBN978-4-8167-0936-4 C0095 2017年5月1日発行